なぜこの世界は生きづらいのか?

アダルトチルドレンとして 世の中で生きることの辛さや、 思うことを綴ります。

伝統とは改善を放棄すること

この前、会社の社員旅行がありました。

自分は全く関わっておらず行っていないのですが、

私は社員からのアンケート内容を見れる立場のため、

どんな声が挙がっているか覗いてみました。

 

「社員旅行は廃止してほしい」

などの否定的な意見がある中、

「会社の伝統だから続けてほしい」

という意見もありました。

 

その意見を聞いて、

そもそも社員旅行みたいな慣習って伝統に値するん?

と疑問に思いました。

 

そして、伝統と決め付けて改善しようとしない姿勢に嫌悪感を感じました。

(それよりも自分は運営しないくせに

 「新人がわがまま言ってきたら軽くあしらえ」

 と立場と礼儀をまきまえないことを書いていたことに

 もっとムカついたのですが、記事の主旨から逸れるので一旦置いておきます。)

 

今回は伝統を理由に物事を続けることの意味を考えていきます。

そもそも伝統とは?

まずは言葉の意味を見ていきます。

あるものを他に伝える,または与えることで,

一般に思想,芸術,社会的慣習,技術などの人類の文化の様式や態度のうちで,

歴史を通じて後代に伝えられ,受継がれていくものをいう。

コトバンクより)

要するに、長い間世代を超えて受け継がれている文化様式や振る舞いのことです。

 

この通りの意味だと、

明治時代以降に普及した年賀状も該当しますし、

先に触れた社員旅行も該当すると思います。

 

伝統をどう捉えるか?

私は伝統のことを様式が完成されたものと捉えています。

例えば伝統工芸や祭りなどは、あえて昔の方法を続けることで、

その風情や良さを伝えていくことに意義があると思います。

 

そういった古来の様式に改善を重ねてしまうと異なる様式となってしまい、

むしろ伝統の良さを失ってしまうため、改善しない方がよいのです。

この場合は改善を放棄するのが正しいと思います。

 

ただし、これが成り立つのは

 伝統を守ることで得られるメリット>デメリット

となる場合だけで、反対に

 伝統を守ることで得られるメリット<デメリット

となっている場合は改善すべきだと思います。

 

改善すべき理由

では、具体的に社員旅行の例をとって、改善すべき理由を考えていきます。

私が考えた理由の1つはこんな感じです。

会社の福利厚生は従業員の満足度の向上が目的であり、
人が満足する要因は時代により変化するから。
そもそも福利厚生がある目的って満足度の向上なので、
それが達成しないと意味がなくなると思うんです。
 
そして、人が満足する要因は年齢や時代によって変化するので、
それに合わせて変化しないと満足するものにはなりません。
 
旅行に限って言えば、
昔は大人数のツアーで見物的な旅行(モノ消費)が主流でしたが、
今は少人数で体験的な旅行(コト消費)にニーズがシフトしています。
 
また、休日に会社の人と付き合うよりもプライベートを充実させたい
という価値観の変化もあると思います。
 
こういったニーズの変化に対応して改善していかないと、
伝統はデメリットの大きい不要な習慣になってしまいます。
 

目的のために改善することをやめない

「伝統だから続ける」という意見は、

それを行なうメリットとデメリットを考えず、

続けることを目的としてしまっている(本来の目的を見失っている)ように思えます。

 

そういった非合理的で前時代的な考えの人は、迷惑をかけない程度に勝手にやってもらって、

私はずっと改善することを考えながら生きていきます。