なぜこの世界は生きづらいのか?

アダルトチルドレンとして 世の中で生きることの辛さや、 思うことを綴ります。

生きづらさの根源は、課題の分離ができないこと

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私はいま『嫌われる勇気』を読んでいます。

実は今まで読んだことが無く、アドラー心理学は未知の領域でした。

 

月曜日から読み始めてまだ3分の2ぐらいまでしか読んでいないため、

本の内容をまるまる1冊理解しているわけではないですが、

とても印象的だった考え方があります。

 

それは「課題の分離」です。

私はこの考え方を聞いて、

社会の中での生きづらさの原因はほぼここに集約されるのではないかと思いました。

 

課題の分離とは?

アドラー心理学で言うところの「課題の分離」とは、

自分の課題と他人の課題を切り分けて考えることです。

まずは「これは誰の課題なのか?」を考えましょう。

そして課題の分離をしましょう。

どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。

 

そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。

これは具体的で、なおかつ対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた、アドラー心理学ならではの画期的な視点になります。

(『嫌われる勇気』より)

本の中では、勉強しない子供に対して親がどう接するべきなのか

という例が示されています。まとめるとこんな感じ。

  • 勉強しないことで授業についていけない、希望の学校に行けないのは子供自身
  • 勉強しないのは子供の課題
  • 子供の課題に親は介入すべきではない
  • 親は「自分の課題である」と伝え、必要なときに支援できるようにしておく

 

この例を聞いて、まさに私の親が当てはまるなぁと思いました。

 

課題の分離ができていない例

先の例を自分の場合に当てはめて詳しく考えていきます。

 

親子関係

過干渉というのは、親が自分の課題と子供の課題を切り分けず、

子供の懐に土足でズカズカと入ってくる行為だと思います。

 

私の母親は、進学や就職、一緒に暮らしているときは生活面について、

ああしろ、こうしろと口出ししてきました。

 

しかし、今になって、それらは支配欲によるものであり、

すべて自分(親)のためだったと気付きました。

 

子供がいい学校に行くことで承認欲求を満たし、

自分の理想の「いい子」にしようとします。

 

反対に子供が理想から離れようとすると、

そうならないように怒り、命令し、縛り付けます。

 

「あなたのため」と言いつつも干渉は「自分のため」です。

幼い私はその言葉をそのままの意味で捉えていましたが、

結局自分を満たすためだったと思います。

 

仕事関係

親子関係において私は支配される側でしたが、

反対に私が課題の分離を出来ていなかったことがあります。

 

それは、要求どおりに仕事をしてくれない人に怒りを感じたときのことです。

自分がタスクの割り出しと割り当てを行ない、同じチームの人に仕事を依頼しました。

 

しかし、その人は要求どおりに仕事をしなかったので、

私は自分の思い通りに働いてくれないことに怒りを覚えました。

 

アドラー心理学での考え方をふまえると、

私が依頼した相手が要求どおりに遂行しなかったのは、その本人の課題です。

 

結局その人には依頼をせず、他の人に依頼するようにしたら、

他人の課題を自分の課題にすりかえることがなくなり楽になりました。

 

組織でやりづらい理由

ここまで個人間の関係について例を挙げましたが、

個人が組織の中でやりづらいと感じる要因も「課題の分離」にあると思います。

 

一般的なピラミッド型の組織の場合、

命令は上から下に流れ、責任は下から上に流れます。

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この仕組みでは、当然部下の責任を上司がとりますが、

それは部下の課題を上司(自分)の課題にすりかえることを意味します。

 

上司はさらに上の人間から責任を問われないよう、

自分の課題にすりかえ、部下を叱責するのです。(自分のために指導する)

 

もちろん全ての場合においてそういったことが起きるわけではありませんが、

ピラミッド型の組織というのは課題の所在を混在させる仕組みだと思います。

 

まとめ

個人間の問題から個人対組織の問題まで、

人間関係の悩みの根源は、課題の分離ができないことにあると考えました。

 

この考えに基づくと、親が干渉したり虐待したりするのは、

自分(親)を満たすためだと解釈できます。

 

私はできれば人間関係の不毛なしがらみを避けたいので、

課題が誰のものなのかを見極め、

自分の懐に土足で踏み込んでくる人を避けようと思いました。

 

この他にも興味深い内容が沢山あるので、

まだ読んだことがない人はぜひ読んでみてください。