なぜこの世界は生きづらいのか?

アダルトチルドレンとして 世の中で生きることの辛さや、 思うことを綴ります。

ゼロから学ぶ卒業論文の書き方講座 ~研究の進め方 後編~

前編に引き続き、論文の書き方を解説します。

death-or-agony.hateblo.jp

 

仮説の立て方

先行研究のレビューの次に書くのが仮説です。

仮説というのは、

「今までの研究から考えて、自分の立てた問いの答えはこうなるだろう。」

という推察です。

 

なので、先行研究でどこまで研究されてるのか分からないと、

仮説の立てようがありません。

だから先行研究のレビューはちゃんとやらないといけないんです。

 

その上で、どうやって仮説を立てるのか?という話ですが、

まずは導出した問い(リサーチ・クエスチョン)を客観的な数値で表せるまで

具体化しましょう。

 

例えば、「男性のスペックが女性からのモテ度にどのような影響を与えるか?」

を問いとします。

 

因果関係はそれぞれこんな感じです。

男性のスペック(原因) ⇒ 女性からのモテ度(結果)

 

では原因と結果をそれぞれ指標に具体化するとどうなるでしょうか?

男性のスペック(原因)
  • 年収
  • 身長
  • 理想の体型からの乖離度(BMIベース)
  • 性格の良さ
  • 話の面白さ
  • 顔の均整

※性格の良さや話の面白さなど定性的なものはアンケートで定量化します。

 

女性からのモテ度(結果)
  • 交際人数

※チョコレートの個数とかでも面白い。

 

ここから6つの仮説を立てることができます。

  • ①年収が高いと交際人数は多くなる
  • ②身長が高いと交際人数は多くなる
  • ③理想の体型からの乖離度が低いと交際人数は多くなる
  • ④性格が良いと交際人数は多くなる
  • ⑤話が面白いと交際人数は多くなる
  • ⑥顔が整っていると交際人数は多くなる

 

これらの仮説はどれも過去の経験(先行研究)から考えられるものです。

なんとなく、どれも正しそうですよね?

 

仮説を明示した後は、本当に仮説が正しいのかを統計的に証明していきます。

 

原因と結果は数字になるまで具体化

 

分析結果と考察はどう書けばいいのか?

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統計の話は今回は省略しますが、

無事にデータを集めてそれらしい表やグラフが作れたとします。

※今度その記事も書こうかと思っています。

 

「さあ、データは揃ったけど何書けばいいんだ?」

という方のために、結果と考察の書き方を説明します。

 

初めにまとめておくと、

結果は、事実とそれから主張できること(事実)

考察は、結果から考えた自分なりの考え(推論)

です。

 

さきほどのモテ度の例をもう一度使います。

それぞれの仮説ごとに、10点満点のポイントで影響の大きさを示します。

(ポイントが高いほど影響が大きい)

  • ①年収が高いと交際人数は多くなる ⇒ 7点
  • ②身長が高いと交際人数は多くなる ⇒ 4点
  • ③理想の体型からの乖離度が低いと交際人数は多くなる ⇒ 2点
  • ④性格が良いと交際人数は多くなる ⇒ 10点
  • ⑤話が面白いと交際人数は多くなる ⇒ 7点
  • ⑥顔が整っていると交際人数は多くなる ⇒ 9点

 

5点以上を影響ありとすると、

事実とそれから主張できることは以下のようになります。

  • 仮説①・④・⑤・⑥が支持された。
  • 性格の良さが最も影響の大きい要因である。(④より)
  • 理想の体型からの乖離度はモテ度に影響を与えない。(③より)

 

論文の「結果」のパートでは、

事実から言えることだけをつらつらと述べていってください。

ここで仮説が支持されたかどうか(正しかったか)も述べてOKですが、

私見(自分の考え)は結果に入れてはいけません。

 

次に「考察」のパートでは、

なぜその結果になったのか?

という疑問に対する自分の考え(私見を述べてください。

  • 年収・性格の良さ・話の面白さがモテ度に影響を与えるはなぜなのか?
  • なぜ性格の良さが重視されるのか?
  • 一般論と違って、体型がモテ度に影響を与えないのはなぜか?

 

自分で考えても分からないときは、

例えば、性格の良さだけに焦点を絞った論文を読み、

その内容を紹介することで主張の根拠にすることができます。

 

疑問に対する自分なりの答えを示したら、

じゃあどうすればいいのか?(主張)

を述べます。

 

「最も影響が大きいのは性格だから、性格を良くするべき!」

と主張する人もいれば、

「性格も年収も顔も変えるのが難しいから、会話のテクニックを身に付けるべき!」

と主張する人もいるでしょう。

 

こんな感じに話をどんどん展開させると面白いですし、

あっという間に字数が埋まります。

 

事実と私見はまぜるな危険!

 

「おわりに」は「はじめに」と繋がっている

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自分の考えを論じたあとは、全体のまとめに入ります。

論文の始めから見返してダイジェスト版を作るつもりで書くといいと思います。

 

〇〇という問い・仮説を立てて検証してみた。

結果、こんなことが分かった。

だからこうするべきだと考える。(結論)

 

といったように、問いと答え・結論を明確に述べてください。

 

「おわりに」と「はじめに」はトンネルの口みたいなもので、

「はじめに」にも結論を書いておくと分かりやすくなります。

 

そして、自分の研究における理論の限界を加えます。

 

「今回は20代前半の学生を対象としたが、20代後半以上の年齢層については

調査するに至らなかった。今後に期待する。」

みたいな感じで。

 

「参考文献」を舐めない

さあ、「おわりに」まで書けたらいよいよ本論は終わりです。

ですが、参考文献のフォーマットは必ず守って書いてください。

※書き方は調べれば出てくるので省略します。

 

なぜなら、フォーマットを守れない人間は、

最低限きちっとすべきところも出来ていないと見なされるからです。

 

逆に、参考文献の書き方を守っていると、

多少理論に欠陥があったとしても、

「こいつは言われたことを守れる人間なんだな。」

と教授は思うそうです。

 

なので、.(ピリオド)や "(クォーテーションマーク)の1つまで

注意を払って書いてください。

 

まとめ

前編と後編の2回に分けて論文の書き方を解説してきました。

慣れていないと難しい部分もあると思いますが、

あなたの論文ライフがより良いものになることを願っています。