なぜこの世界は生きづらいのか?

アダルトチルドレンとして 世の中で生きることの辛さや、 思うことを綴ります。

タダであることを疑う人へ

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私の会社にはミル挽きコーヒーの自販機があるんですが、

このあいだ1日だけ無料で飲めるキャンペーンをやっていました。

メーカーの人が来て「無料で配っているのでどうぞー」って感じです。

 

自分も自販機の存在は知っていましたが、

コーヒー飲むことが少ないので使ったことがなく、

この機会に飲んでみようと思ってココアを飲んでみました。

(そこはコーヒーじゃない)

 

周りの人も「タダなら貰う」という人が多く、

みんなこぞって自販機の所へ貰いに行っていました。

 

その様子を見て、近くに居た人が隣の人と無料コーヒーのことを話してるのを

耳にしたのですが、

「タダほど怖いものはない。」

「古い豆を使っているんじゃないかと思う。」

「経営者の視点から考えてタダでものを配ることなんてするはずがない。」

と言っていました。

 

私はそれを聞いて、見識の浅さとひねくれ具合にビックリしました。

だって、50ぐらいのおっさんがそんなアホなこと言ってるんですから。

「生きてて恥ずかしくないの?」と煽りたくなりましたが、

面識ない人と喧嘩してもしょうがないのでここで煽ります。

 

 

無料の商品が成り立つ理由

じゃあなんで自分がそう思ったかというと、

無料の商品・サービスがビジネスとして成り立つロジックを理解しているからです。

 

例えば、スマホゲームのほとんどがその類です。

パズドラやツムツムもインストール・プレイは無料でできます。

なぜ無料であれだけ利益をあげられるかというと、

一部のユーザーが多額の金額を課金しているからです。

 

インストールを無料にすることでゲームを始める敷居を低くし、

ユーザーの母数を増やすことで市場シェアを拡大し、

雪だるま式にヘビーユーザーを増やしていきます。

 

こうすることで、導入当初は採算がとれなくても、

後から売上を伸ばすことができるので、トータルで利益を出すことができます。

 

この方法は浸透価格戦略と同じロジックでして、

  安価(または無料)で売る

  →ユーザーに使ってもらう(市場に浸透させる)

  →ユーザーを確保する(市場シェアを拡大する)

  →利益を回収する

という流れになっています。

浸透価格戦略

価格戦略のひとつ。新製品の発売初期の価格を比較的低い水準に設定し、できるだけ早く市場全体への漫透をはかり、市場シェア(マーケット・シェア)を確保することを目的とする政策価格志向の強い大衆商品によく採用され、後発メーカーが先発メーカーの市場シェアを奪う戦略の時にも利用される。

 

なので、たった1回コーヒーを無料にしたところで

今後継続的に買ってくれる人が増えてくれるなら損にはなりませんし、

むしろ売上は上がります。

 

さっき私が煽ったのは、

近年当たり前になっているこのビジネスモデルを理解せず、

さぞ自分が正しいかのようにキャンペーンそのものを否定的な視点で語っているのに

腹が立ったからです。

 

歳ばっかり食って何も考えないで生きているんだろうなと思います。

 

疑うのは面白くないし損をする

ものを疑う行為は悪いことではないと思います。

何でもかんでも信じていると騙されてしまいますから。

私も「これは詐欺じゃないのか?」と疑うことは結構あります。

 

ただ、全てを疑うほどひねくれた人間は面白くないですし、

結果的に損をすることもあると思います。

 

冒頭で紹介したおっさんは美味しいコーヒーを無料で飲む機会を損失しています。

コーヒーを飲みたくないなら話は別ですが、

それが理由じゃないなら少なくとも飲みたい気持ちはあったわけで、

疑った結果その機会を逃したのです。

 

別に他人が損するのはどうでもいいんですが、

そういう人間は見てて不愉快なので近くに居てほしくないですし、

同じ空気を吸いたくありません。

 

そんなことを考えながら私はココアを飲んでいました。