ものを教えてもらえなかった子供の心理
人間誰しも、子供のときは初め出来なかったけれども、
練習したら出来るようになった経験があるかと思います。
私の場合は小学3年生の時まで自転車に乗れませんでしたが、
今では普通に乗りますし、自転車で走るのは好きです。
しかし、私が自転車に乗れるようになったのは親のおかげではなく、
無料の自転車教室で教えてくれたおじさんのおかげです。
今回は、周りの人はできるのに自分だけできなかった2つのエピソードをもとに、
「こうやって教えてほしかった」という子供目線での意見を紹介したいと思います。
エピソード1:自転車に乗ること
冒頭に述べたとおり、私は小学3年生まで自転車に乗ることが出来ませんでした。
そのぐらいの年齢になると、周りの人は男女関係なく自転車に乗れていた記憶があります。
6・7歳の頃に補助輪つきの自転車を買ってもらったのですが、
練習といっても、父親はただ自転車で走るだけで、
私はずっと補助輪を付けて走るだけだったので、一向に乗れるようになれませんでした。
ある時テレビで「1日で乗れるようになる自転車教室」が紹介されていたので試しに行って練習してみたら、本当に1日で乗れるようになりました。
ちなみに、その練習方法とは、
ペダルを全て外し、足が深く着くまでサドルを下げるという方法です。
足がいつでも着ける状態ならバランスを崩しても大丈夫なので、
足を浮かせてなるべく長い間前に進む練習をしたらバランスを取れるようになりました。
自転車に乗れない理由を考える
乗れるようになってから思うに、
自転車に乗るコツはバランスを取ることだと思います。
自転車に乗れないのはなぜか?
→バランスが取れないから
→バランスが取れるようにするにはどうすれば良いか?
→いつでも足が着く安全な状態で走り、少しずつバランス感覚を身につける
といった思考のもと、ふさわしい練習の仕方を親から教えて欲しかったです。
このように、なぜ出来ないのか理由を考え、
それを回避・克服するにはどうすれば良いかと考えてみると、
正しく教えることができると思います。
エピソード2:水泳
自転車の他に、小学5年生まで泳ぐことはおろか水に浮くことすら出来ませんでした。
今でもクロールしか出来ず、息継ぎが出来ないので10mちょっとしか泳げません。
両親とも泳ぐのは得意でしたが、一緒にプールに行ってもただ泳ぐのを見せるだけで、
どうやったら浮くのかを教えられたことはなかったと思います。
当時の私は、足が地面から離れてバランスを制御出来なくなるのが怖く、
溺れるのと同じ状態になりました。
あるとき、「このまま死んでもいいか」と思って布団に横たわるのと同じ感覚で力を抜いたら、なんと浮くことが出来ました。
水に浮けない理由を考える
自転車と同じように「出来ない理由」を考えてみます。
水に浮けないのはなぜか?
→力が入ってしまうから
→なぜ力が入ってしまうのか?
→地に足が着かないのが怖いから
→怖くないようにするためにはどうすれば良いか?
→「死んでもいい」という気持ちで横たわる
心理的な問題なので克服するコツを教えるのは難しいと思いますが、
出来ない人目線での言葉をかけてくれる人がいたら、
もっと早く泳げるようになっていたと思います。
ものを教えるには知性が必要
私の出来なかったエピソードを2つ紹介しましたが、
やはり、子供にものを教える親には知性が必要だと思います。
「真似してごらん」と言ってできないならば、
出来ない原因を類推し、解決できると思われる方法でトライさせてみる。
工夫なしで出来ないから方法を考えるんです。
私が子供のときに求めていたのは、本当の意味でものを教えてくれる人間でした。
出来なかった経験を生かして
偉そうに言ってしまいましたが、私はこういった経験をふまえて、
(他人の)子供に勉強を教えるときに生かしていました。
成功体験が最も役に立っているのは出来るようになった本人ですが、
それを教える側も嬉しいです。
そう考えると、子供を育てるのも楽しいかもしれませんね。