「死にたい」と言った3歳児
私が3歳のときの話です。
ある日、居間に置いてあった贈答品のカタログを見ていました。
カタログには美味しそうな食べ物やジュースの詰め合わせなどが載っていたのですが、
ふと日本酒の写真が目に止まりました。
子供にとってお酒は飲んではいけない「悪」のものであり、
私はお酒が体に悪いものだと既に認識していました。
そして、お酒を大量に飲めば死ぬことができるのではないかと、
一瞬にして考えが巡りました。
当時の自分にとって死後の世界というのは別世界で、
「どんな世界なんだろう?」
と好奇心を抱いていました。
自分も死後の世界を覗いてみたいとも思っていました。
そんな好奇心と日本酒の写真がリンクし、近くにいた母親に
「このお酒を全部飲んで死にたい。」
と言いました。
すると母親は激怒し、しばらく怒鳴られました。
(怒られた記憶だけが残っており、何を言われたかは覚えていません。)
おそらく、「死にたい」という言葉のまま意味を捉え、自ら命を絶つのを考えた私を責めたのでしょう。
単なる好奇心で悪気なく言ったのもかかわらず、
理由を説明できず理不尽に怒られたのが悲しくて泣きました。
以上が、人生で初めて死にたいと思ったときの記憶です。
当時は死後の世界に対する好奇心から「死にたい」と言いましたが、
その3歳児は10年後、本当の意味で「死にたい」と思うようになったのです。